あけぼの保育園前編 通信掲載(2017年2月号)

  • 投稿日:
  • by

 「積み木おじさん」こと相沢康夫氏の著書『好きッ!絵本とおもちゃの日々』に出てくるあけぼの保育園。百町森とは、柿田が園をまわって絵本を売っていた頃からのおつきあいで、四半世紀以上にもなります。その後、一緒に保育の勉強会をするようになり、子どもの主体性を大切に、遊びを中心にした保育を学び、実践し続けています。乳児は、育児担当制、幼児は異年齢保育をされています。そんなあけぼの保育園が園舎の建て替えをされたとのこと。これは、今までの保育の思いがが詰まった新しい園舎と園庭ができているにちがいないと思い、ぜひそのポイントを教えていただこうと訪問してきました。

園に関わる全ての人を思いやる新園舎

 古川園長に園内を案内いただきながら、お話を伺っていると、この園で過ごす子どもたちのスムーズな生活や遊びが保障される環境づくりはもちろんのこと、子どもを預けにくる保護者への配慮や、職員の働きやすさの工夫も随所に見られました。紙面の関係でお伝えし切れないのが残念ですが、水道一つをとっても、各部屋ごとに、子どもが使いやすい高さ、シンクの深さを採寸しオーダーメイドされたという徹底ぶりでした。広い玄関や雨に濡れずに登園できる工夫も、荷物が多く、乳児を連れている保護者には本当にありがたい設計です。保育室にはもちろん収納がたくさんありますが、建築途中にデットスペースの廊下に収納棚を追加し、保育で使う教材、材料などをしまう場所がきちんとあり、さらに保育室からすぐに取りに行けるようにしたところも使い勝手が良さそうです。

CIMG0841.JPG

【乳児受け入れスペース】登降園時に保護者が支度をする場所は、遊んでいる子どもたちから見えない高さにしてある。遊びを妨げず、落ち着いて過ごせる細やかな配慮だ。

CIMG0865.JPG

【0歳児保育室】各保育室には、発達に合ったおもちゃが用意されている。特に、乳児は子どもの成長に合わせ、おもちゃを入れ替えるので、春と冬とで部屋の様子が変わる。

静と動の遊びのスペースをつくる

 園児数が多く、幼児の異年齢クラスは30名定員で5クラスと大きな園ですが、子どもたちは自分のやりたい事に集中して遊んでいるのでとても落ち着いた印象を受けます。それは、静と動の遊びがきちんと保障されていることも一つの要因だと感じました。私も保育士時代には、雨が続くと、よく頭を悩ませていました。今のあけぼの保育園には、雨の日でも十分に体を動かせる場所があります。幼児はおにごっこができるくらい広い屋根のあるピロティ、「毎日体操」をしているホール、乳児は玄関前のスペースや廊下でも遊べるのだそうです。もちろん、晴れた日には、魅力的な園庭やお散歩にもよく行くそうです。

02.jpg

【2歳児保育室前テラス】0,1歳児は1階にあり、テラスから乳児園庭へと直接出る事が出来る。2歳児保育室は2 階だが、前にこんなに広いテラスがあり、夏にはここにプールを出すそうだ。

P1070895.JPG

【玄関から駐車場へ】駐車場から屋根のあるピロティを通って玄関へ入れるため、雨の日でも濡れずに登園できる。さらに、このピロティや広い玄関前は雨の日に体を動かして遊ぶスペースにもなる。

01.jpg

【ホール】以前の園舎はホールがなく、入園式などの行事の時に幼児保育室を空けなくてはならなくて大変だったそう。ホールが出来た事で、日課の「毎日体操」もやりやすい。

 次回は、新しく生まれ変わったあけぼの保育園の園庭と偶然出会った保育中の出来事をご紹介します。お楽しみに。