ドイツ旅行記

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3年ぶりにニュルンベルクのおもちゃメッセに行ってきました。小樽の面白おもちゃ屋キンダーリープさんの社員旅行に同行させてもらったのです。旅の仲間は、チームキンダーリープ以外に私を含め6人、総勢11人でした。実は私、杉本店長といっしょにニュルンベルクに行くのは、これが3回目なのでした。

1月28日(水)午後イチに羽田空港を飛び立ち、その日の夕方にはもうミュンヘンに着きました。実際には10時間以上かかってるんですげどね。翌29日(木)は、時差ボケもなく、朝から元気にメッセ見学です。


最初に向かったのは当然ながらネフ社です。我が友ハイコ・ヒリック氏*にご挨拶。この旅では、日頃なじみのあるメーカーのプチ解説を同行の皆さんにしてほしいと、杉本氏から頼まれておりました。で、プチ解説「ネフ社は、製品のクオリティの高さで木製玩具界のトップランナーです。私が最も好きな、また、最も世話になっているメーカーでもあります。私は5点の作品を製品化してもらい、なんたらかんたら...。」ネフ社の新作は、半球型のラビリンスでした。手が不自由な子でも遊べそう。同行の高橋直樹さんは、ハイコにデザインを売り込んでおりました。製品化になれば日本人ネフデザイナーの仲間入りなのですが・・・。

ネフ社の向かいはキーナー社です。プチ解説「カテリーナ・キーナーさんが幼稚園教諭からおもちゃデザイナーに転身したのは、40年も前の事です。彼女のイラストレイションの美しさ、可愛らしさ、品格は、ネームカードに一番表れている気がします。なんたらかんたら...。」キーナーさんは、おもちゃじゃないけど靴べらをデザインしていました。なんてシンプル!実に気持ちの良いデザインです。「これいくら?」と尋ねると、キーナーさん、それには答えず、「プレゼント」と言って、一本くださいました。自分へのお土産第1号ゲット。

キーナー社ネフ社の斜め向かいがキュボロ社です。プチ解説「積み木による玉の道を、世界で初めて作ったのが、社長のエッターさんで、製品がこのキュボロです。今から30年前の事でした。キュボロを作っている工場はニーフェラー社と言い、ネフ社のリグノなども作っています。精度は抜群、おそらく世界一です。キュボロは精度命ですからね。エッターさんは日本のピタゴラスイッチを参考にしたりするそうです。なんたらかんたら...。」エッター氏考案のゲームで、私と谷合かおるさん*は勝ちました。エッターさん、負けてくれたのかな?

次に向かったのがジーナ社です。プチ解説「ジーナ社の前身は、幼児教育の父フリードリヒ・フレーベルの恩物を一番古くから作っていたS・F・フィッシャー社です。今でも恩物のNo1~No10までを、誠実かつ丁寧に作っています。東西ドイツ統合後、デュシマ社と合弁会社になりました。私の作品も4点、作って貰ってます。なんたらかんたら...。」ザイドラー母子と嬉しい再会です。ノーマン君、相変わらず真面目そうな男前です。


デュシマ社にも行きました。プチ解説「デュシマ社は、ドイツ木製玩具界の老舗中の老舗です。小さなおもちゃは、主としてジーナ社が作っています。デュシマ社の工場では家具類、主に幼稚園・保育園用の机や椅子、棚などを生産しています。その質実剛健さは素晴らしく、なんたらかんたら...。」と、皆さんに解説していると、社長のルル・シフラーさんが後ろで聞いてくれていました。うわビックリ!再会の喜びに思わずハグ。素晴らしいボリューム感で、解説の後半は、頭から飛んでゆきました(笑)。デュシマ社は、『寿司ゲーム』が新作として出品されていました。木製の、にぎり寿司のメモリーゲームです。日本人が見ると、やや「?」なネタもあるけど、まぁ笑える範囲かな。

デュシマ社の向かいはオストハイマー社でした。シュタイナー系の木製動物フィギュアを作っているメーカーですね。日本にも多くのファンがいます。私個人は、今は無きスピールフォーム社派なので、フォルムそのものはもうひとつなんですが...。で、このオストハイマー社の中にケラー社が入っております。木製の乗り物を作っているメーカーです。『4人乗りバス』や『オートバイ』のかわいいこと。半世紀にも渡り愛され続けた形です。プチ解説「ケラー社創設者、コーンラッド・ケラーさんは、車のタイヤの形を、思いっきり丸く仕上げております。これには理由があります。車を買ってもらった子が、『ブッブー』とか言いながら、寝そべっている母親の背中あたりを走らせたりした時、お母さんが気持ち良いんですね、この時、必ず親子の会話が生まれるだろうとコーンラッドさんは考えた訳です。なんたらかんたら...。」

この日、馴染みのメーカーで他に回った所は、ニック社、セレクタ社、エルツィ社、ポングラッツ社、ベック社、ヴェルナー社ケーセン社ブリオ社、ハバ社、プラントイ社などなどたくさんあるのですが、メッセ初日はこのあたりで、全員ヘトヘトでした。この続きは、きんだーりーぷ通信の「オットここでも書きたい放題・キンダーリープ版」で、お読みいただけます。

*ハイコ・ヒリック ネフ社チーフデザイナー。貴公子と呼ばれたイケメンも渋い中年の域に...。代表作『レインボウ』『イマーゴ』他

*谷合かおるさん 面白おもちゃ情報誌『きんとうん』編集長。おもちゃのコレクターであり生き字引。凄い人は、一見凄く見えないという好例のような方。

(コプタ通信2015年04月号より、相沢康夫)