CURCUS訪問 通信掲載 (2015年6月号)

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子育て支援とカフェ

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 先月紹介したなごみこども園(以下なごみ)さんの隣には、昨年12月にオープンしたばかりの「CIRCUS( サーカス)」という子育て支援ひろばの複合施設があります。ここには子育て支援ひろばだけでなく、小規模保育室、ベーカリーカフェのNcafe(エヌカフェ)、絵本とおもちゃのお店が併設されています。子育て中の親子だけでなく、幅広い年齢層の方が利用されているそうです。そんな子育て支援とカフェという組合せをどこから思いついたのでしょうか?
「これから少子化が進んでいき、保育園は選ばれる側になる。選んでもらうには、質の向上だけでなく、保育が目に見える形になってなければいけないと思うのです。それには見てもらうのが一番いいが、保育園や子育て支援ひろばは、現役の子育て世帯以外には入りづらい場所ですよね。これから親になる世帯や保育者を目指す人にも、その人自らが「あそこに行ってみよう。」とならないかと考えました。

そしてもう一つ、今も昔もこれからも変わらないのは、子育ての中心が女性であるということ。女性が今どういった場所に関心があるかと考え、カフェにたどり着きました。」 

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 オープン記念の講演会で細田直哉先生(聖隷クリストファー大学助教)がおっしゃられたのですが、フランス革命がおきる直前にもカフェがたくさんできたそうです。集まる場所ができ、コミュニティを形成することによって一つのムーブメント、変化が起きてくる。このカフェも保育や子育てに何かしらの新しい変化を起こしてくれそうです。


大人気!!の子育て支援ひろば


 今までなごみさんでは園内の一室で子育て支援ひろばをされていて、年間登録者数は約300名いたそうです。そして昨年の12月にカフェを併設した新しい施設をオープンし、現在の登録者数はなんと650名。1日の利用者数も20名程度だったのが、先日(取材の数日前)1日105人という記録を打ち出したのだとか。
私が取材に訪れた日も午前中ですでに40組いらっしゃっていました。人数の多さに圧倒されつつも、室内に入ってみると、騒がしい感じがしないのがあら不思議。なごみさんの保育室同様に様々なおもちゃ、絵本コーナー、少し体を動かせる遊具もあり、子どもたちは自分の好きな遊びに夢中になっているからなのでしょう。ひろばには保育士が常時いて、子どもたちの遊ぶ様子を見守ったり、保護者の育児相談にのってくれています。利用者数も増え、需要もあることから、春からは利用時間や曜日を増やしていくそうです。さらに、利用されているのは浜松の方が多いのか伺うと、愛知県の豊川市から来ている方もいるそうです。他県から子育て支援ひろばに来るってなかなかないですよね。浜松市内でも30〜40分かけて来る方もたくさんいるそうです。時間をかけても来たいという魅力があるということですよね。
 この施設の「サーカス」は「円形広場」という意味で、いろんな角度から人が交わっていくイメージで作られたそうです。カフェの利用者の方も若い方から子育てが終わられた方までと幅広く、保育園の社会化、一般化という意味でも、非常に効果があると園長先生は実感されているそう。これからのなごみCIRCUS さん目が離せませんね。

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Ncafe を含めたなごみの個性


 子どもの個性を大切に考えているなごみさん。最後になごみさんの個性について伺うと、「これは、僕が言っていることじゃないけど」と前置きされ、少し照れながら、「ここの職員さんはみんなかわいい」とよく言われるのだと答えてくれました。
それは、園長先生がかわいい子を選んでいるのではなく(笑)、園として女性が働きたくなる環境を作っていっているから。園案内のパンフレットやカフェなども含めて、女性の好むオシャレ感を大事にされている。園では、そこを前面に出していると
ころはあまりないかもしれません。それは、前述した、より多くの人に関心を持ってもらうためでもあるのだと感じました。
「そういった雰囲気や、乳児は担当制保育、幼児は異年齢保育、園庭に平らな部分がなくて、室内には良質なおもちゃを揃え、遊びを中心とした環境を通した保育をする。いろんな保育がある中でこれらを選んでいるので、それがなごみの個性なのか
な。」と考えながら話してくださいました。